2010年4月アーカイブ

一般の女性はもちろん、髪を専門に扱っている美容師さんにも、このような質問をすると、ほとんどの方が、"毛根が伸びてくる"と答えます。

おそらく草や木が育つように、ヒフの中に埋れている毛根が栄養を吸収して伸びてくるものと、漠然と考えているのでしょう。

ところで、毛の生えている毛穴(正しくは毛嚢といいます)の一番下には、真皮の方から突出して、ちょうどとっくりの上げ底のように毛嚢側に入りこんでいる部分があります。

これはヒフでいえば、表皮の方に突出している真皮乳頭と同じようなもの。

わかりやすくいえば、表皮が陥没して乳頭がここまで落ちこんだと思えばいいのです。

ヒフの場合は、この乳頭の外側に一列に並んだ基底細胞があり、これが乳頭から栄養をとり入れて分裂増殖して、次々と表皮細胞を送り出します。

これが最後は角化細胞となって表皮角層を形成するように、毛乳頭周囲の細胞(これを毛母細胞と呼びます)がやはり毛乳頭から栄養をとり入れて分裂増殖します。

こうして次々と押し出されてくる細胞が、次第に形や性状が変ってヒフの上に顔を出してくるのです。

つまり、毛は伸びてくるのではなくて、トコロテンのように押し出されてくるのですね。

ただヒフの場合は次々とアカになってはがれていきますが、毛の場合はある一定期間伸びてきて、そして、ある時期が来ると、この毛母が活動を中止するので後続部隊が続かず、自然に抜けてくるわけです。

こうして伸びてくる髪の毛の1本1本は、外側は細胞が変化したウロコのような毛表皮(キューティクル)がとり囲んでいます。

その中には、やはり細胞がつくった細い線維がいっぱいつまっているのです。

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